気がつけば、39歳になっていた。

白髪が増えたし、目尻のしわも深くなった。

仕事も生活も年相応に見通しなど立たず、どちらかと言えば、煮詰まってしまってる。


仕事場で、周囲に自分より一回りも若い新人さんが増えた。

自分より若い先輩に苦言をはけば、敬語を使われ、扱いづらいと思われてしまう。


何日もほとんど徹夜して働き、命を削って没頭した仕事なのに、

給与の支払いが、もう2週間以上も遅れている。


一ヶ月近く帰れなかった我が家に、久しぶりでやっと戻っても、

すぐには家族との暮らしのリズムになじめずに、

その些細な言葉にいらだってしまう。


こんな時はつい、捨て鉢に思ってしまう。

自分は誰からも必要とされずに、

場違いな場所で、無駄な空回りをしているだけじゃないだろうか?・・・と。

自分は今のままで本当に良いのか?・・・と。




でもそんな時、

ちょっと離れた場所から、「風」を送ってくれる人達がいる。

自分よりかなり上の人もいれば、ずっと若い人もいる。


普段はお互いに離れていて、それぞれの道を進んでるが、

ふとしたタイミングで、相手の存在を感じて元気がわいたり、

「これではいかん」と背筋が伸びたりする。



今日も、そんな大事な友人が放った何気ない一言で、

開けようとしたことのない未知の窓を開けるような、新鮮な切っ掛けをもらった。



私でいいのかなぁ、本当に・・・とも思うけど、

人生もう折り返し地点、

この偶然は、積極的に面白がった方がいいですよね、きっと。